八幡崎獅子踊り

八幡崎獅子踊り

八幡崎獅子踊りの伝承起源

八幡崎村に伝承する獅子踊りの伝承起源については村に文献が残されていないので確かなことは解らないが、現存する秘巻の末尾に「天文十八乙 卯年九月写之須郷長五郎平潭 斎勤写之(印)」とある。
古老の説によると「天文十八年(1549年)と言えば京都に発祥した獅子舞の起源と年代的に接近していて巻物に書かれている歌詞の中には、室町時代の言葉が所々に見られる点から、京都に発祥した室町時代の文化が、津軽地方に流れ移されたものと考えられる」とされている。

獅子踊りの構成

獅子踊りの構成は、牡獅子二匹(内一匹を中獅子とも呼ぶ)牝獅子一匹、可笑獅子一匹(可笑コとも言う)で、これを演ずる者を役者と言う。これに囃方として普通笛三名、太鼓一名(太鼓は俗にコロバシ太鼓と称し桶胴式のも)鉄摺鉦一名(俗に鉄平鉦と言う)、謡手一名で構成されている。
獅子は胴鼓と言って小太鼓を腰につけ、可笑コは鉄平鉦を持っている。

青森無形文化財指定

八幡崎獅子踊が、昭和三十六年一月十四日、青技第十号をもって、県無形文化財に指定されたが、この指定を受けるに当たっては、勿論八幡崎獅子踊の伝統の古さと、優れた技芸の伝承によるものではあるが、これを上申するに至るまで、新屋村故葛西覧造先生のご指導や、故須郷七郎先生、故今覧造先生の力に負うところが大きかったことは関係者ひとしく認めるところであり、文化財保護に大きな足蹟を残してくれたことに対し心から敬意を表したい。

踊りの特色

県下幾十組の熊踊を見るに、その運足の型、二種類を見ることができる。その一つはすり足で運ぶ舞の型、他の一つは跳躍による踊の型である。前者は尾崎、大沢組をはじめ、大部分がこの型であるに反し、後者は当村の組と、五年前当組を師として最興した垂柳組、数十年前当組から分かれたという沖館組等よりない。
口伝ではあるが、津軽藩主の前で披露した際、その踊は鶴が大きく翼を拡げて踊るに似ていると賞して、鶴の飛んでいる模様のついている幕を頂戴したという。
代々その幕が当組の誇りの幕で、小柄なものでも幕を拡げて踊ると、実に雄大な踊りとなるのである。
熊踊りの荘重さに跳躍の軽妙さを加え、なお、独特の雄大さを表現するのが当獅子躍の特色である。

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八幡崎獅子踊り
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